在フィリピン日本国大使館からの情報を転記します。渡航の際の参考にしてください。
●マニラ首都圏や近郊地域において、日本人が拳銃強盗、睡眠薬(昏睡)強盗、スリ、置き引き、ひったくり、タクシー内での窃盗、美人局(つつもたせ)等の被害に遭う事例が多数発生しております。
●最近の邦人の犯罪被害の傾向と注意点等を以下のとおりお知らせしますので、常に狙われているという危機意識を持ち、トラブルに巻き込まれないよう心がけながら安全対策を講じてください。
●加えて、フィリピンではクリスマスシーズンを迎えると、犯罪が増加する傾向があります。在留邦人の皆様や旅行者・出張者の皆様におかれては、本注意喚起に御留意いただき、高い防犯意識を持つようお願いします。
●本注意喚起を、フィリピンへの旅行や出張を検討されている御家族や御友人、同じ職場の皆様にも共有願います。
1 拳銃強盗被害
(1)夜間等に歩道を歩行中、突然犯人が近づいてきて、拳銃又は拳銃のようなものの銃口を被害者に向け、携行するショルダーバッグ等を奪われる被害が発生しています。
(2)中には、カバンを奪われないよう抵抗した際に発砲を受け負傷した事案や、拳銃のグリップ部分で殴打された事案、レストランに侵入した強盗により金品を奪われた事案も発生しています。
(3)当館では9月3日夜に発生した事案を最後に、邦人被害の情報には接しておりませんが、再発生の可能性は排除されません。フィリピンではクリスマスシーズンに犯罪が増加する傾向もみられますので、引き続き以下のとおり注意してください。
【注意1】特に夜間の徒歩での外出はなるべく控え、やむを得ず歩行する際は、次の注意喚起を参考に、細心の注意を払ってください。
(日本外務省スポット情報)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2025C019.html
【注意2】多額の現金、パスポート等の貴重品は、必要が無い限り持ち歩かないでください(パスポートコピーの携行を推奨)。やむを得ず持ち歩く際には、1つのバッグに入れず分散して携行し、特に財布と携帯電話は別々に持つようにしてください。
【注意3】強盗に遭遇した際は、身の安全を第一に考え、絶対に抵抗しないでください。
2 睡眠薬(昏睡)強盗被害
特に旅行者等の短期滞在者からの被害報告が後を絶ちません。手口、被害例、注意点等は以下のとおりです。
(1)睡眠薬(昏睡)強盗とは
犯人(複数人のグループであることが多い)が狙いをつけたターゲットの旅行者(被害者)に言葉巧みに近づき、移動中、又は移動先の飲食店等において、即効性のある睡眠薬(向精神薬)等を混入させた飲食物を勧め、被害者の意識を失わせて金品を強奪するもの、またその手口を言います。
(2)手口、被害例
ア 観光地(マニラ旧市街:イントラムロス)やマニラ市内のリサール公園付近を散策中、見知らぬ人物から、「どこに行くの? (行き先を回答すると)私たちが案内してあげるから、一緒に行かない?」、「私たちも旅行者なんだけど、一緒に○○に行かない?」、などと声をかけられます。
イ これに応ずると、徒歩、タクシー等で移動することになります。その後の動きは実に様々ですが、次のような例が挙げられます。
(一例)タクシーや(犯人の)友人を称する車に乗せられ、どこにいるか分からなくなり、また家族と称する男女が2人便乗してきて、後部座席の自分の左右に座った。その車内で渡された飲み物(あるいは果物、菓子等)を口にしたあとの記憶がない。気がつくとホテルの自室で寝ており、ポケットに入れていた財布と携帯電話がなく、またクレジット・カードから数十万円が不正利用されていた。ホテルの場所は伝えてあったが、ホテルの従業員に聞いても、誰が送ってきたかは分からないと言われた。
【注意1】被害者の多くは、「相手が中高齢の女性だった(あるいは家族のようだった)のでつい気を許した」、「とても人を騙すような人物には見えなかった」、「事例は承知していたが、まさか自分が巻き込まれているとは思わなかった」などと述べています。かなり巧みに被害者の心理を突いてくるものと考えられます。
【注意2】被害者の多くは一人旅、又は単独行動の際に犯人に声をかけられています。一人で市内を行動する際には、特に注意してください。
【注意3】睡眠薬、精神安定剤等の向精神薬は、量や体調によっては身体に重大な影響を及ぼすおそれのある怖い物質です。見知らぬ人物から誘われても、簡単に同行したり提供を受けた飲み物、食べ物に口をつけたりしないよう、十分注意し、警戒してください。
3 スリ、置き引き被害
(1)気づいたらバッグを開けられ、旅券や財布等の貴重品を取られていた、といった報告が頻繁に寄せられています。被害場所も多岐にわたり、マカティ市やタギグ市(BGC内)含む路上のほか、ショッピングモール内、ジプニーの車内、空港ロビー等でも発生しています。
(2)歩行中、複数の子供や浮浪者に取り囲まれ、小銭等をせがまれて困惑しているうちにバッグやポケットから財布や携帯電話(スマホ)を抜き取られる事案も多発しています。
(3)飲食店等におけるバッグの置き引き被害も引き続き多発しています。
【注意1】外出の際は必要最小限の現金等を持ち歩くようにする、貴重品はバッグなどにまとめて収納せず分散して身につけるなどの対策を講じてください。
【注意2】特に一人歩きが狙われる傾向があります。「歩きスマホ」をしない、見知らぬ人物から声をかけられても不用意に立ち止まらないといった行動を心がけ、また恐怖を感じた場合は近くにいる第三者に大声で助けを求めるようにしてください。
【注意3】バッグ類は、常に目に見える場所で確実に管理するよう心がけ、また席を外す際には必ず持ち歩くようにしてください。
【注意4】携帯電話(スマホ)の盗難被害報告も多く、「スマホがないため家族や関係者の連絡先が分からず、支援を頼めない。」、「データ化してあった航空券(eチケット)が見られず困っている。」といった相談も増えています。特に旅行中の方は、連絡先や必要な書類をスマホで一括管理している方が少なくありません。スマホの紛失や盗難に遭った場合も想定し、最低限の連絡先は紙媒体でも保管する、親族や友人に事前にデータを共有する等、必要なバックアップ対策を講じておくことが肝要です。
4 バイクによるひったくり被害
バイクに乗車した二人組が後方から近づき、携行するハンドバッグや携帯電話などを奪取するといった被害が発生しています。
【注意1】歩行中には、後方から来るバイクに乗った二人組の接近に注意し、接近を察知したらバイクから届かない場所まで避難するなど防衛措置を講じてください。
【注意2】歩道を歩行する際は、車道から離れた場所を歩くとともに、セカンドバッグ等は体前方、車道の反対側に持つようにし、後方から把持されにくいようにして下さい。
5 タクシー内での窃盗
(1)ニノイ・アキノ国際空港(NAIA)にてタクシーを待っていたところ、安価でマニラまで送ると声をかけられた。当該運転手のタクシーに乗車したが、降車する際、高額な乗車賃を払うよう脅迫された。払えないと交渉したところ、突然カバンに手を入れられ、財布や旅券を強奪された。
(2)流しのタクシーに乗車したところ、降車時に高額な乗車賃を払うよう脅迫され、怖くなりやむを得ず支払った。
【注意1】流しのタクシーは絶対に利用せず、ドライバーの特定やオンラインでの追跡が可能な配車サービスの利用を検討ください(NAIA到着エリアにはそのような配車サービスカウンターもあります)。
【注意2】やむを得ず流しのタクシーを利用する場合には、車番等は乗車前に必ず確認・記録してください。また単独でのタクシー利用は避け、友人や家族と同乗するようにしてください。
6 その他、当館で認知した邦人被害事案
(1)マッチング・アプリにて知り合った女性と待ち合わせし、一緒に食事などして意気投合した。続けて共にホテルへ向かい親密になったところ、室内で突然女性が「自分は未成年者だ、警察を呼ぶ、嫌なら金を払え」と騒ぎだし、同時に仲間も室内に入ってきて、ナイフを向けながら金を払うよう脅された(美人局(つつもたせ)被害)。
(2)NAIAから出国する際、保安検査場にてトレーに財布を置き探知機を通したが、検査後に財布が無くなっていた。
(3)知人のフィリピン人ビジネスパートナーに資金を貸し付けたが、期限を過ぎても貸付金が返済されず、またパートナーとも連絡が取れなくなった。
【注意1】マッチング・アプリを通じて知り合った女性とトラブルが発生していることに十分留意してください。また、遵法意識を強く持ち、初対面など信頼性の低い人物からの誘いには軽々に乗らないよう注意してください。
【注意2】保安検査場では、トレーに預けた貴重品から一時的に離れざるを得ず、身体検査を受ける間は貴重品から注意が逸れがちとなります。見当たらない物があれば、速やかに保安検査員や空港警察に申告するようにしてください。
【注意3】いくら親しくなっても、金銭が絡む話は詐欺の可能性を疑ってください。また、相手の言うことを鵜呑みにせず、状況をしっかり把握したうえで、貸し付ける場合は慎重に判断するようにしてください。
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(問い合わせ窓口)
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住所:2627 Roxas Boulevard, Pasay City,Metro Manila
電話:(市外局番02)8551-5710
(邦人援護ホットライン)(市外局番02)8551-5786
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